このエアスピネルに関しては、「武豊騎手でデビュー」との発表があるまでブログで触れてきませんでした。つまりくるかもしれない、としては書かなかったわけです。
私はエアが好きなんです。
エアグルーヴはもちろん、ギャングスター、エミネム、シャカールなどなどキリがない(笑)。ですから、エアスピネルは騎乗依頼がくるかもしれない、というより「キテくれ!!頼むよ~」黙って様子をみていました。
エアスピネルの調教の様子からして阪神の前半には出走してきそうな気配。そこでラニが9月13日の2000mを武豊騎手で、との発表。「うわ~残りは土曜日のマイルかぁ。。。」と嫌な予感。
もしかしてラニと被るかも
そんな時、約20年前のある日を思い出した。
1995年12月5日
阪神3歳牝馬ステークスG1(当時の名称)
武豊がエアグルーヴではなく、イヴキパーシヴを選んだことに怒っていた(子供だったので先約なんか気にしませ~ん)
この日の武豊騎手の騎乗馬は豪華だった。
4レース5レース新馬戦のこと。
・阪神4R芝1600mダンスインザダーク
・阪神5R芝2000mロイヤルタッチ
両馬とも武豊騎手でデビュー予定で、「確か伊藤雄二先生が2000mを武豊で!と譲らなかったんだよなぁ~橋口先生が折れてくれて4レースへ移動してくれたんだっけなぁ」。
ロイヤルタッチはダンスインザダークが新馬戦を制した直後(阪神競馬第5競走)にデビューしており、ともに競走後は「次のラジオたんぱ杯も頼む」と依頼を受けていた。
しかしダンスの方が「1レース分」依頼が早かったため、本馬を選択したという。
引用元:武豊の瞬間 – 希代の天才騎手10年の歩みp191
「巡り合せは、いいに越したことはないよなぁ」が当時の感想だった。
そして9月2日水曜日にエアスピネルは武豊騎手と発表。
巡ってきてんぞと!!
きましたかと。
武豊でデビューだってよ、巡ってきたエアスピネル
photo credit: Spinel Crystals via photopin (license)
エアスピネルの基本情報
・生産は社台ファーム
・馬主はラッキーフィールド
・栗東:笹田和秀厩舎に所属する、2歳牡馬がエアスピネルです。
馬名の意味は、エア(冠名)+スピネル(タイに伝わる伝説の竜の形をした馬)とのこと。どうやら鉱物のスピネルとは違うようですね。
エアスピネルの血統
母エアメサイアは通算12戦4勝。素晴らしかったのは安定感。12戦中すべて5着以内の成績で、馬券購入者を最後の直線までドキドキさせてくれたのではないでしょうか。
デビューから引退までの12戦すべて武豊騎手が騎乗し、4勝のうち1勝は秋華賞(G1)での勝利。
唯一のG1勝ちとなった秋華賞では、前哨戦のローズステークスと同様にラインクラフトを測ったかのような差しきり勝ちで、見事にG1タイトルを手中に収めました。
武豊騎手の手綱裁きも見事でしたが、どのレースでも武豊騎手の期待に応え堅実に走ることができたエアメサイアの能力があってこそ、素晴らしい馬でしたね。
エアメサイアの印象について武豊騎手は、「新馬戦のころはピンとこなかった」と武豊TVの中で語っています。
管理していた伊藤雄二先生の話では、「エアメサイアは秋になればよくなる」と武豊騎手に伝えていたそう。秋華とは?中国の詩人が「あきのはな」として、詩のなかで用いた言葉。
「秋」は大きな実りを表し、「華」は名誉・盛り・容姿が美しいという意味がこめられていて、伊藤雄二先生が見越していたように、秋になり秋華賞で見事に実りました。
残念ながらエアメサイア2014年9月12日、放牧中の事故で死亡しており、のこされた産駒のなかでデビューを待つ馬は、本馬エアスピネルを含めて2頭のみとなりました。
産駒はこれまで3頭がデビューし、トータルで4勝。ひとつ勝つのも大変な世界であることは分かっていますが、「G1馬エアメサイアの仔」として考えると、もう少し大きな舞台を期待してしまう。
エアスピネルはこれまでの兄弟に比べても順調で、しかも調教で動いている、期待してもいい馬でしょう。
エアスピネルの調教
入厩してからゲート試験合格後、一旦放牧に出される馬が多いのですが、エアスピネルはそのままデビューまでたどり着きました。調教もほぼ休みなく行われ、これまでデビューした兄弟にみられた体質面の問題も心配が必要なさそうです。
8月23日栗東CW 良 助手が騎乗して
5Fから73.3-57.5-42.7-13.1位置8馬なり
内アプシュルトス馬なりに5Fで0.4先行4F併せで併入
外コウザンアプローチ馬なりと5F併せで併入
コースではそれほどやってないです。
8月26日栗東坂路 稍 助手が騎乗して
52.8-37.9-24.3-12.1一杯
内アプシュルトス一杯と併せで0.2遅れ
この画像は8月26日に栗東坂路で追いきられた2歳馬のタイムを並べたものです。タイムが早ければいい、というわけではない。短距離馬やダート馬は容易に坂路でタイムが出せたりします。
栗東坂路でラスト2ハロン25.0以下、さらにラスト1ハロン12.5を切る時計を出せる2歳馬はそれほど多くいません。この条件を満たした馬は、ストロングタイタン、エアスピネルの2頭だけ。ストロングタイタンは、この追いきり後に8月30日小倉の新馬戦を快勝しています。
エアスピネルは比較的早い時間(この日は4時57分)馬場が綺麗で時計の出やすい時間帯に追いきられていますが、それを割り引いても、いいタイムですね~。
9月2日栗東坂路 重 武豊が騎乗して
52.3-38.3-25.0-12.6強め
外コウザンアプローチ一杯と併せで併入
1週前追いきりでは武豊騎手が騎乗して、しっかり動いています。(併せた相手のコウザンアプローチとスピネルってコンビが意味深?なんか面白いですね)
エアスピネルについて笹田和秀先生のコメント
「追ってからの反応がよかった。上は気性が悪かったけど、この馬は真面目に走る。ゲートは普通かちょっと速いぐらい」
追ってからの反応がよかったとのコメントがあり、まだ手ごたえに余裕があるのでしょう。ゲートも問題ないみたいですね。
「ジョッキーが乗ったし、時計が出たね。きょうだいは頼りないところもあったけど、この馬は真面目に走ってくれるよ。」
真面目に走るそうで気性が良さそうなコメントが並んでいますね。あまり大きなことを言う先生ではないので、控えめなコメントの印象です。
まとめ
注目のデビュー戦は、9月12日阪神5R芝1600mです。
秋の阪神開幕週の新馬戦で、エアの勝負服を着た武豊騎手がみられる、応援できる!!こんなに気持ちがいいことはないです。4コーナー馬なり、直線半ばまで持ったまま、そんな馬であってくれたら最高だなぁ。
エアスピネルの続報は、ここから下へ追記していきます
【追記】追記日9月9日
9月9日栗東坂路 不良 助手が騎乗して
53.3-39.1-25.1-12.2馬なり
外アプシュルトス馬なりと併せで併入
馬場が悪いなか、いい追いきりだと思います。
【追記】追記日9月17日
エアスピネル新馬戦を快勝! 近々、放牧へ 9月17日時点で次走は未定
新馬戦を見事に快勝!!どのメディアでも、エアスピネルの新馬戦に対し、ポジティブなコメントがありましたよね。代表してひとつ紹介しておきます。
武豊騎手のコメント
「センスがいい。ラストの走りは本当にいいフォーム。奥が深い」
奥が深い、ってのが嬉しいですよね。先々が楽しみになるコメントです。
次走の予定が決まりましたら、また追記をします。